2008年01月22日
いまさら芥川賞
先週、今年の芥川賞・直木賞が発表されましたが、
新鋭の作家・作品には疎い私。
いつか読んでみようと思いつつ、いつ読むことになるのやら・・・。
最近、自宅ではなかなか1人の時間を持つ余裕がなく、
もっぱら、隠れ家バーで日本酒のみながらの読書です。
しかし、必ずしも読むべき本を持参していないこともあり、
バーの本棚にある小説を少しずつ読んでいました。
そこでピックアップしたのが、
芥川賞受賞であの話題になったこの2冊・・・
期せずして読むことになりました。
蹴りたい背中 綿矢りさ/著
蛇にピアス 金原ひとみ/著
軽い作品を予想していましたが、2冊ともかなりディープな内容。
久しぶりに純文学を読んだなあ・・・そんな感じでした。
まったく、一般ウケはしないと思います。
全人口の1割・・・それ以下の文学が好きな人のうち、
さらに1割くらいの人が好みかも・・・というような作品です。
意味不明なものを楽しめる感性がないと、
「蹴りたい背中」は、何が言いたいの?って感じだろうし、
「蛇にピアス」は、この痛々しさの何が楽しいの?っていう作品です。
爽やかな感動とか、一切、縁がありません。
でも、芸術ですから、そういうものの存在も必要なのでしょう。
でないと、商売として売れる安易な感動に依存した作品だらけで、
つまらない世の中になってしまうような気がします。
こういう錯綜した作品も、感性を刺激するには、
たまにはいいかな・・・。
ということで、ここまで書いたものの、
これから読んでみようと思われる方は、
それ相応の覚悟のうえで読まれることをお薦めします。
新鋭の作家・作品には疎い私。
いつか読んでみようと思いつつ、いつ読むことになるのやら・・・。
最近、自宅ではなかなか1人の時間を持つ余裕がなく、
もっぱら、隠れ家バーで日本酒のみながらの読書です。
しかし、必ずしも読むべき本を持参していないこともあり、
バーの本棚にある小説を少しずつ読んでいました。
そこでピックアップしたのが、
芥川賞受賞であの話題になったこの2冊・・・
期せずして読むことになりました。
蹴りたい背中 綿矢りさ/著
蛇にピアス 金原ひとみ/著
軽い作品を予想していましたが、2冊ともかなりディープな内容。
久しぶりに純文学を読んだなあ・・・そんな感じでした。
まったく、一般ウケはしないと思います。
全人口の1割・・・それ以下の文学が好きな人のうち、
さらに1割くらいの人が好みかも・・・というような作品です。
意味不明なものを楽しめる感性がないと、
「蹴りたい背中」は、何が言いたいの?って感じだろうし、
「蛇にピアス」は、この痛々しさの何が楽しいの?っていう作品です。
爽やかな感動とか、一切、縁がありません。
でも、芸術ですから、そういうものの存在も必要なのでしょう。
でないと、商売として売れる安易な感動に依存した作品だらけで、
つまらない世の中になってしまうような気がします。
こういう錯綜した作品も、感性を刺激するには、
たまにはいいかな・・・。
ということで、ここまで書いたものの、
これから読んでみようと思われる方は、
それ相応の覚悟のうえで読まれることをお薦めします。
2007年12月15日
移動時間対策・・・その1
昨日、出張から無事に帰宅しました。
これで4回目の南北縦断・・・
さすがに移動時間の使い方にも準備万全でした。
まず、読書。4冊の本を読破しました。
せっかくなので、簡単な感想を付けて紹介します。
まず、最初に読んだのは、江国香織さんの「きらきらひかる」です。
今までこの作家の作品を読んだことなかったのですが、
なんとなく目にとまって読んでみることにしました。
同性愛者の男性と躁鬱病の女性が結婚するという奇抜な設定ながら、
なんとも切ない内容に仕上がっていて、いい作品でした。
わかりやすい直球を求める方には向いてないと思いますが、
変化球であることで逆に深い愛情を感じられる作品だと思いました。
次に読んだのが、田口ランディさんの「コンセント」です。
この方も名前は聞いたことあるけど、
どんなものを書く作家なのか、まったく知らないまま、
なんとなく手に取ってしまいました。
もっと、一般受けを狙った浅い作品であると想像していましたが、
内容はかなり深いです。
単なる卑猥な作品に見られないことを祈ります。
唯一、残念なのは、ちょっと後半部分が長かった・・・
つまり、余韻を残して終わって欲しかったです。
続いて、小川洋子さんの「博士の愛した数式」を読みました。
ある精神的な病を抱えた老人と私生児とその母の友情を描いた作品です。
決して派手な展開とはいえない落ち着いたストーリー、
淡々とした語り口ながら、じんわりと切なさを感じる内容でした。
既に映画化されていますが、確かに映画向きの作品のように感じました。
最後に変り種として、ひろさちやさんの著書、
「デタラメ・あきらめ・いい加減 仏教に学ぶ幸せな生き方」です。
タイトル・装丁に惹かれて、まさに勢いで手にしてしまいました。
タイトルに反して、内容は深いです。
気楽に生きましょう、そんなメッセージが詰まっています。
頑張り過ぎて疲れてしまった人にはお薦めです。
ちなみに、楽観主義の私は、こんな生き方に近いです。
もう1つ、移動時間対策として持参したものがありますが、
その話は、また今度。
これで4回目の南北縦断・・・
さすがに移動時間の使い方にも準備万全でした。
まず、読書。4冊の本を読破しました。
せっかくなので、簡単な感想を付けて紹介します。
まず、最初に読んだのは、江国香織さんの「きらきらひかる」です。
今までこの作家の作品を読んだことなかったのですが、
なんとなく目にとまって読んでみることにしました。
同性愛者の男性と躁鬱病の女性が結婚するという奇抜な設定ながら、
なんとも切ない内容に仕上がっていて、いい作品でした。
わかりやすい直球を求める方には向いてないと思いますが、
変化球であることで逆に深い愛情を感じられる作品だと思いました。
次に読んだのが、田口ランディさんの「コンセント」です。
この方も名前は聞いたことあるけど、
どんなものを書く作家なのか、まったく知らないまま、
なんとなく手に取ってしまいました。
もっと、一般受けを狙った浅い作品であると想像していましたが、
内容はかなり深いです。
単なる卑猥な作品に見られないことを祈ります。
唯一、残念なのは、ちょっと後半部分が長かった・・・
つまり、余韻を残して終わって欲しかったです。
続いて、小川洋子さんの「博士の愛した数式」を読みました。
ある精神的な病を抱えた老人と私生児とその母の友情を描いた作品です。
決して派手な展開とはいえない落ち着いたストーリー、
淡々とした語り口ながら、じんわりと切なさを感じる内容でした。
既に映画化されていますが、確かに映画向きの作品のように感じました。
最後に変り種として、ひろさちやさんの著書、
「デタラメ・あきらめ・いい加減 仏教に学ぶ幸せな生き方」です。
タイトル・装丁に惹かれて、まさに勢いで手にしてしまいました。
タイトルに反して、内容は深いです。
気楽に生きましょう、そんなメッセージが詰まっています。
頑張り過ぎて疲れてしまった人にはお薦めです。
ちなみに、楽観主義の私は、こんな生き方に近いです。
もう1つ、移動時間対策として持参したものがありますが、
その話は、また今度。
2007年06月17日
重力ピエロ
昨日の公園での朝食後、
伊坂幸太郎著「グラスホッパー」という本を読み始めました。
ということで、
私の好きな作家、伊坂幸太郎さんの作品について書こうと思います。
どの作品も、ストーリー構成がしっかりしていて、
最後まで気の抜けない展開・・・大好きな作家です。
最初に読んだのは、
吉川英治文学新人賞受賞作「アヒルと鴨のコインロッカー」でした。
後輩から紹介されて読んだのがキッカケでした。
そして、もっとも好きな作品が、「重力ピエロ」です。
重いテーマを軽いタッチで淡々と書き進めている
不思議な雰囲気をもった作品です。
この2つの作品に共通しているのは、
語り手たる主人公?のほかに、掴みどころのない
魅力的なもう1人の主人公が存在しているという点です。
その他「死神の精度」も面白い作品でしたが、
短編集なので、時間のないときのオススメです。
伊坂幸太郎著「グラスホッパー」という本を読み始めました。
ということで、
私の好きな作家、伊坂幸太郎さんの作品について書こうと思います。
どの作品も、ストーリー構成がしっかりしていて、
最後まで気の抜けない展開・・・大好きな作家です。
最初に読んだのは、
吉川英治文学新人賞受賞作「アヒルと鴨のコインロッカー」でした。
後輩から紹介されて読んだのがキッカケでした。
そして、もっとも好きな作品が、「重力ピエロ」です。
重いテーマを軽いタッチで淡々と書き進めている
不思議な雰囲気をもった作品です。
この2つの作品に共通しているのは、
語り手たる主人公?のほかに、掴みどころのない
魅力的なもう1人の主人公が存在しているという点です。
その他「死神の精度」も面白い作品でしたが、
短編集なので、時間のないときのオススメです。
2007年05月22日
空中ブランコ
今回の出張の移動中に読んだ本の話を。
既に、興味のある本は、ほとんど読んでしまったため、
先日、面白そうな作品を探すべく、
過去10年くらいの このミステリーがすごい! を読み漁りました。
そこで、見つけたのが奥田英朗空中ブランコです。
とはいっても、初めて読む作家ですから半信半疑でしたが、
この作品は、かなりいいです。
ある精神科医を主人公とした短編集ですが、
この主人公のキャラが立っていて面白い!
私は、こういう不思議な無邪気キャラが大好きです。
なんとなく伊坂幸太郎の主人公っぽいかな?
非常に読みやすく、私は3時間で読破でした。
これまた、気軽に読めるオススメの作品です。
既に、興味のある本は、ほとんど読んでしまったため、
先日、面白そうな作品を探すべく、
過去10年くらいの このミステリーがすごい! を読み漁りました。
そこで、見つけたのが奥田英朗空中ブランコです。
とはいっても、初めて読む作家ですから半信半疑でしたが、
この作品は、かなりいいです。
ある精神科医を主人公とした短編集ですが、
この主人公のキャラが立っていて面白い!
私は、こういう不思議な無邪気キャラが大好きです。
なんとなく伊坂幸太郎の主人公っぽいかな?
非常に読みやすく、私は3時間で読破でした。
これまた、気軽に読めるオススメの作品です。
2007年05月19日
テロリストのパラソル
出張中に読んだ本の話を書こうと思っていたのですが、
一昨日亡くなられた藤原伊織さんの作品について書こうと思います。
彼は、もともと日本最大手の広告代理店である電通に勤務、
籍を置いたまま作家として活動するという
ちょっと不思議なスタイルの人気作家でした。
(最近は、別の職業を持っている作家も増えましたが)
2年くらい前に、自分が癌であることを公表し、
闘病生活を送りつつ、執筆を続けていました。
そもそも、彼は遅筆で有名な作家で、
他の作家に比べて作品数は多くないこともあり、非常に残念です。
彼の代表作テロリストのパラソルは、
(史上初の江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作品)
人物や時代背景の設定、あるいはストーリー展開においても
非常に完成度が高く読み応えのある作品です。
先入観なく読む方が感動も大きいと思うので内容には触れませんが、
ハラハラするスピード感たっぷり展開とちょっと切ない結末・・・
オススメの一作です。
一昨日亡くなられた藤原伊織さんの作品について書こうと思います。
彼は、もともと日本最大手の広告代理店である電通に勤務、
籍を置いたまま作家として活動するという
ちょっと不思議なスタイルの人気作家でした。
(最近は、別の職業を持っている作家も増えましたが)
2年くらい前に、自分が癌であることを公表し、
闘病生活を送りつつ、執筆を続けていました。
そもそも、彼は遅筆で有名な作家で、
他の作家に比べて作品数は多くないこともあり、非常に残念です。
彼の代表作テロリストのパラソルは、
(史上初の江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞作品)
人物や時代背景の設定、あるいはストーリー展開においても
非常に完成度が高く読み応えのある作品です。
先入観なく読む方が感動も大きいと思うので内容には触れませんが、
ハラハラするスピード感たっぷり展開とちょっと切ない結末・・・
オススメの一作です。
2007年05月13日
沖縄出張移動時間に・・・4TEEN
とにかく移動時間の長かった今回の出張。
何か、読むべき本を・・・ということで、
出発前日に図書館に行って面白そうな本を調達しました。
いまさら、これ読みました・・・なんていうのは
恥ずかしいくらい、最近露出の多い作家の直木賞作品4TEEN。
なぜか、まだ読んでなかったので、借りていくことにしました。
さまざまな問題を抱える4人の中学生を
彼ら世代の視線から描く・・・おそらくそんなコンセプト。
不透明な将来への苛立ち、
大人になって自由になることへの憧れ、
誰しも経験したことのあるそんな感覚を
淡々と、しかし深く描いている感じがしました。
TVに出ている雰囲気から美しい純文学風を想定してましたが、
ちょっと違ってました。
かなり、現代の子供のリアルな感じが描かれています。
短編で区切れているので、
ダイナミックなストーリーの展開はありませんが、
少しずつ、暇なときに読むくらいなら、
いい作品かもしれません。
何か、読むべき本を・・・ということで、
出発前日に図書館に行って面白そうな本を調達しました。
いまさら、これ読みました・・・なんていうのは
恥ずかしいくらい、最近露出の多い作家の直木賞作品4TEEN。
なぜか、まだ読んでなかったので、借りていくことにしました。
さまざまな問題を抱える4人の中学生を
彼ら世代の視線から描く・・・おそらくそんなコンセプト。
不透明な将来への苛立ち、
大人になって自由になることへの憧れ、
誰しも経験したことのあるそんな感覚を
淡々と、しかし深く描いている感じがしました。
TVに出ている雰囲気から美しい純文学風を想定してましたが、
ちょっと違ってました。
かなり、現代の子供のリアルな感じが描かれています。
短編で区切れているので、
ダイナミックなストーリーの展開はありませんが、
少しずつ、暇なときに読むくらいなら、
いい作品かもしれません。
2007年02月17日
国家の品格
これまでには、書いていないジャンルですが、
実は、私・・・結構、読書好きなんです。
テニスブログなのに、と叱られそうですが、
また、新ジャンルを追加しようと思います。
内容を書いてしまったら、今後読む方は面白くないでしょうから、
ストーリーには触れずに、感想を書いてみようと思います。
で、初回は、私が最も敬愛する作家、
宮部みゆき、いや安部公房、いや三島由紀夫、いや谷崎潤一郎、
迷いは尽きませんが、わかりやすく直近で読んだ
について書こうと思います。
講演の内容に加筆して本にしたというだけあって、
とても読みやすい本でした。
ちょっと言い過ぎでは・・・と思うところもありますが、
読み手(聞き手)へのインパクトを考えると、
あのくらいがちょうどいいのかもしれません。
基本的な考え方に同調する私にとっては小気味いい感じでしたが、
嫌悪感を感じる方には、不愉快でたまらないかもしれません。
日本人の優位性・・・情緒的という趣旨には、まったく同感です。
日本人としての誇りを持って生きたいですよね。
たくさん本を読んだことは、自分の糧になっているのかなあと
誇らしい気分にさせてもらいました。
ちょっと時間のあるときに読まれてはいかがでしょうか?
本質を突いている本だと思いました。
(繰り返しになりますが、ちょっと言いすぎという面はあります。)
実は、私・・・結構、読書好きなんです。
テニスブログなのに、と叱られそうですが、
また、新ジャンルを追加しようと思います。
内容を書いてしまったら、今後読む方は面白くないでしょうから、
ストーリーには触れずに、感想を書いてみようと思います。
で、初回は、私が最も敬愛する作家、
宮部みゆき、いや安部公房、いや三島由紀夫、いや谷崎潤一郎、
迷いは尽きませんが、わかりやすく直近で読んだ
について書こうと思います。
講演の内容に加筆して本にしたというだけあって、
とても読みやすい本でした。
ちょっと言い過ぎでは・・・と思うところもありますが、
読み手(聞き手)へのインパクトを考えると、
あのくらいがちょうどいいのかもしれません。
基本的な考え方に同調する私にとっては小気味いい感じでしたが、
嫌悪感を感じる方には、不愉快でたまらないかもしれません。
日本人の優位性・・・情緒的という趣旨には、まったく同感です。
日本人としての誇りを持って生きたいですよね。
たくさん本を読んだことは、自分の糧になっているのかなあと
誇らしい気分にさせてもらいました。
ちょっと時間のあるときに読まれてはいかがでしょうか?
本質を突いている本だと思いました。
(繰り返しになりますが、ちょっと言いすぎという面はあります。)